自分で小さな家を建てる|独立基礎づくり編|森の暮らしづくりレポート①

my forest,my home。自分の森で自分の家をつくる。ど素人アラカン夫婦二人が一級建築士のサポートを受けながら、森の中の6坪ハウスをDIYするプロセスを工程ごとにまとめた記録です。

いよいよ母屋になる管理棟の小さな家に着工しました。「建物は上部構造と基礎構造とからなり、基礎構造は上部構造を支持する役目を負う」と難しく言われます。

建物はまず基礎です。ここがしっかりしていないと上物がガタガタになってしまいます。要は基礎あっての上物というくらい大事なものということですね。

基本、自分の手でやってみようと考えました。理由はチャレンジしてみたいという気持ち、もう一つは費用を削減するためです。

コンクリートで固めるといった大がかりなことはできないので、独立基礎と呼ばれる束石を使った方式でいくことにしました。そのプロセスで苦労したことを中心に書いています。何かの参考になればうれしいです。

目次

小屋が建つ位置に印をつける

最初に小屋を建てる場所にテープなどを張ります。これを縄張りというそうです。本来は縄張りが先なのですが、穴を掘る作業(根切りというらしい)を行いました。理由は固くて掘りにくい地面が雨が降った後で若干掘りやすくなっていたから。

基礎にもいろいろある

基礎の種類には、基礎の底面が建物を支持する地盤に直接接する直接基礎と、建物を支持する地盤が深い場合に使用する杭基礎があります。

基礎や土間コンクリートを設けるために、杭打ちをしたり地盤を締固めることを地業(じぎょう)と呼んだりもします。

直接基礎には、柱の下に設ける独立基礎、壁体等の下に設ける布基礎、建物の底部全体に設けるべた基礎があります。

杭基礎には、材料によって木杭、既製コンクリート、鋼杭等があります。僕たちの6坪ハウスは小規模で、自分たちでも手掛けられる束石を使った独立基礎方式にしました。

遣り方(やりかた)づくり

基礎になる束石を据える位置決めをするため、遣り方というものをつくりました。遣り方とは図面を実際の土地に置き換えるため、空中に図面をつくるようなイメージのものです。いわば「空中設計図」。

一級建築士のサポートのもと、自分でできる作業が自分でやってみることにしました。敷地は斜面になっています。それを平らにならすのは至難の業。ある程度ならし、木の束で調整する方法がベターという方針にしました。

杭を打つ

まず四隅に杭を打っていきます。小屋を建てる縄張りラインから50センチ程度離れた場所です。位置は直角にならないといけないとかはなく大まかで問題ありません。次に杭に水糸を張って水糸のライン上に間の杭を打っていきます。

僕たちがやったときは、杭をどう打てばいいかがわからないところから始まりました。次に四隅の間にある杭をどうやって真っすぐに打っていくのか?

最初はメジャーを下に引っ張ってやっていましたがこれではズレてしまいます。「水糸張ればいいんじゃない?」ヨメサンのひと言で解決したことを思い出します。

水盛り管で水平をとる

水平をとるには計測器、レーザーといったものがあります。これらはプロが使う道具、お金が掛かります。DIYでコストをかけずに水平をとるには水盛り管というやり方があります。

水はどこへもっていっても水平になる原理を利用した方法で、バケツの水面とホース先の水面が同じになることから全体の水平をとっていきます。道具としては透明ホースと真ん中に置くバケツと水です。

絶対に守らないといけないのは、バケツの水面位置が変わらないようにすること。各々の杭へホースをもっていったとき、バケツの水面と同じ高さで水が止まるからです。

バケツの水面が変わると全て狂ってしまってイチからやり直しになってしまいます。そしてバケツからホースが出ないように固定します。

ホースが長すぎるとからまったり、よれたりしてうまくいきません。できるだけちょうどいい長さにした方がいいです。あとホースは太すぎないこと。水量が多いと精度が狂ってしまいます。

空気を抜くには口で吸う方法もありますが、これではなかなかうまくいきません。バケツより低い位置へホースももっていくと水圧差で抜けます。

次に杭のところへホースをもっていきます。すると不思議!ホースの水が動いて止まります。止まったところが真ん中のバケツの水面と同じ高さになるのです。最初見たときは驚きました。すごいですね、科学の世界。

ホースの水が止まったところへ目印になるマークを書いていきます。こうして順番に全ての杭にマークをつけて完了です。

僕たちがやったときは、途中でホースに空気が入ったので水を吹き戻してみたりしました。これではバケツの水面が動いてしまいますよね。そんなこともわからず、おかしい、おかしいと何回もやって印を付け直ししたのを思い出します。

イライラしながらやるとろくなことがありません。実際は一日目にやってみてうまくいかなかったので、Youtube先生やブログ記事をみておさらい、Youtubeはきちんとまとまったものより、失敗も交えながらの方が等身大でわかりやすいですよね。

貫板を張る

各々の杭に水平が書けたら、マークした目印に合わせて板を張り付けていきます。この板を貫板と呼びます。6センチから9センチ幅で厚さ9ミリ程度のたわまない安価な材を選びます。

僕たちはグリーン材といって伐りたてで乾燥していない安価なものを購入しました。

重要になるのが高さです。高さが一定になるように意識を集中して張っていきます。

このときイレギュラーが発生しました。僕たちのフィールドは斜面になっています。上からやっていくと下の杭の長さが足らなくなってしまいました。

長い杭を買ってきてやり直しというものありですが時間が余計に掛かります。苦肉の策で一番下の列のみ上の二列と高さを変えることにしました。これが後々測量のミスを起こす問題に発展するとは思ってもいませんでしたが・・・

こうして貫板が張れたら、最後に四隅に斜めに板を渡します。これできっちり固定されます。

基準にする水糸を張る

次は基礎の位置を決めるための水糸を張っていきます。最初に基準にする一本を張ります。目検討で大丈夫です。貫板の上に釘かビスを打って水糸を結びつけます。風などで動かないようにピンピンに張ります。

大矩(おおがね)をつくる

基準にする水糸が張れたら、その線と直角になるように新しい水糸を張ります。といってもどうやって直角を出せばいいの?ということですよね。

ここで大矩と呼ばれる大きな直角定規を作ります。作り方はピタゴラスの定理にもとづきます。「斜辺の2乗は、直角をはさむ辺を2乗して足したものと等しい」でした。こういうの超苦手ですが・・・

木の長さを3対4対5にすれば直角三角形になります。ああでもない、こうでもないと言いながらやっとできました。

直角に水糸を張る

基準になる水糸と直角を出す水糸の角に大矩を当てます。これが超難しい!あてているうちに大矩が動いてしまいます。また横の線を合わせていると縦がズレてしまったり・・・結構重いので同じ位置を保つのが至難の業。

大矩を置く台をつくったりして何とか直角の水糸を張りました。

等間隔で打ったビスに水糸を張る

こうして横と縦の基準線ができました。あとは横へ設計図通り91センチごとに貫板に印をつけながらビスを打っていきます。上の貫板ビスと下の貫板ビスを結ぶ水糸を張れば遣り方の完成です。・・・のはずでしたが・・・

全部できた後にミスが発覚!

ここまででちゃんとできるはずでした。ところが最終チェックで三辺を測ると合わない!「えっ?何で?」「どこを間違ったの?」これまで相当時間と手間をかけてきただけに途方に暮れます。

といっても間違ったまま進めると建物がおかしくなってしまいます。全ての箇所をもう一度測り直し、調整していきます。

すると貫板の高さを変えたところの測り方を間違っていたためにズレが出ていることが判明しました。ここも再度工夫をして測り直します。

この作業を何度も繰り返しました。でもどうしても合わない!いろいろと考えた結果、最初に正しい対角線の長さに水糸を張り、それに合わせて残り二辺を決めていくことにしました。

この方法が的を得ました。やっと全ての辺が正しい数字になりました。結果、直角を出すこともできました。遣り方の完成です。

やってみてわかったこと

本来は大矩をきちんとあてて直角を出していくのが流れ。でも実際は動いてしまうのでなかなか思ったようになりません。

であれば先に一番長い対角線を正しい長さに決め、それに合わせて縦と横の二辺を微調整していくという逆転の発想が良いのかなと思いました。

これも正しいのか否かわかりませんが、結果オーライということに。いやあ「空中図面」遣り方づくりはめちゃくちゃ大変です。

時間が掛かってもイライラせずに頭を冷やしながら進めていくことをおすすめします。

穴掘り

深く掘る

位置が決まったら束石を埋めるための穴掘りです。僕たちの地方は冬になると地面が凍るため、束石は深くしないといけません。浅いと凍結した際、霜柱で持ち上がってしまうから。45センチという高さのものにしました。

上がったり下がったり繰り返すうちにガタガタになってしまいます。また地面と木の束の間が空いている方がいいです。近いと木が腐ってしまうから。地面は落ち葉で湿気がたまります。高床は腐りにくい。ちなみに屋根に落ち葉も良くないと建築士は教えてくれました。

さあ作業開始。ここからが大変でした。穴掘りというのは名ばかり、出てくるのは根っことです。根っこを切っていかないと掘る作業にまで至りません。

小さな根であればノコギリで切れるのですが、大きなものだとビクともしません。切れそうにない根があるところは横のラインを保ちながら、左右にずらすことにしました。

建物の基礎や地下室などを造る場合に、地盤面下を掘削して、所要の空間を造ることを「根切り」という呼ぶそうですが、まさにその意味を体感しました。

加えて土壌が粘土質。少し掘ると粘土になって固くて掘れない。雨が降るとドロドロになる。本当に粘土には困りました。

40センチの穴にしたいので水道工事の職人さんがやっていた棒に印をつけて測りながら掘りました。穴掘り位置は下げ振りという道具で中心を決めていきます。穴を掘って、中心を確認して、ずれていたら修正して・・・ひたすらこの繰り返しです。

地面を転圧、砕石を入れて転圧

こうしてようやく穴が掘れたら、地面を転圧します。タンパーと呼ばれる道具がありますが、別の場所で使う沓石に棒をつけて自作しました。

自作タンパーを穴に差し込んで叩きます。地面を固めることを締めるといいます。上げ下げだけで結構腰にきます。そこそこ転圧できたら砕石を投入、またひたすら叩きます。これもまた繰り返し。日頃使わない筋肉や箇所に効いてきます。

束石を置いて固定する

穴の転圧ができたら、いよいよ束石を置いていきます。高さ45センチの巨大束石は1個30キロもの重さになります。人力で持ち上げては不可能なので、置くというより穴の中のふちにずらしながら流し入れるという感じです。

穴の中にはまったら、前後左右の位置を微調整、仕上げは再度下げ振りと水平器で水平をとっていきます。位置をずらすと水平がとれない、水平をとると位置がずれる・・・この繰り返しでした。

最終位置と水平チェック

こうして何とか27個の束石を穴に設置することができました。やっている間に少し動いたり、横ラインが揃っていなかったりしています。

最終の最終で一つひとつの位置と水平チェックをしていきます。「あ~ずれてる」「ぴったり合った!やった!」こんな声を挙げながらの作業でした。

コンクリート流し込み

いよいよ最終工程になる独立基礎を固定するためのコンクリート流し込み作業です。セメントと砂と水を混ぜたものです。

コンクリートとモルタルがあります。砂とセメントを混ぜたものがモルタル、砂とセメントと砕石を混ぜたものをコンクリートといいます。コンクリートの方が強度があります。

砂3+セメント1=モルタル
砂+セメント+砕石=コンクリート

と教わりました。

トロ舟の中に上記を入れ、水を足しながら練っていきます。ゆるすぎず硬すぎず、あんかけ状態が目安。この微妙な感じがむずい。初日10個は手作業で混ぜました。

コンクリートは熱で固まります。水を混ぜると温かくなるので早めに作業しないといけません。また日中暖かくなるとすぐに固まってきます。一方、気温が低いと固まらずボソボソになってしまいます。

工事は12月でマイナスになる寒い時期でした。なので、なるべく午前中に作業するようにアドバイスを受けました。夕方作業はNG、硬化不良を起こしてしまいます。

ホームセンターで購入した砕石入りドライ生コンには「10度以下は使用しないでください」の注意書きがあります。どうしたものかと困っていたら、親切なお店スタッフの助言で、耐寒剤を混ぜることにしました。

残り17個は滞在スケジュールと天気をにらみながら一日でやり切りたい。手で混ぜていたら間に合いません。ここでもお店スタッフの助言で、かくはん機をレンタル。最初は難しかったですが、慣れるとぜんぜんラク。ただ深さがないと飛び散るので注意が必要です。

年内にコンクリート流し込みまで終えて、ブルーシートをかけて自宅に戻ります。そして年明け、ドキドキしながらシートをはずすとちゃんと固まっていました。ほっと胸をなで下ろした瞬間です。

穴を掘って周囲によけた土を戻します。これがまたひと苦労。土が凍ってビクともしない。気温が上がるのをにらみながら作業しました。

そして、やっと、やっと完成。長い長い道のりでした。

まとめ


こうしてすったもんだしながら、何とか2022年内に独立基礎27個、全数据え付け完了しました。結構半端ない達成感がありました。あとはちゃんと乾いて固定してくれるのを祈ります。

10月末から二拠点で行ったり来たりしながら振り返ると2ヶ月。基礎づくりはまさに建物の基礎。労力と神経をすり減らす工事でした。

その後、町中で基礎工事を見かけると「今、あのあたりかなあ?」「大事だよな~」とつくづく感じるようになりました。

これから上物をつくっていきます。途中ではどうなることかと思いましたが、最後まで自分でやって良かった。出来上がったとき基礎の大切さを再認識することでしょう。

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