自分で小さな家を建てる|透湿防水シート編|森の暮らしづくりレポート⑦

my forest,my home。自分の森で自分の家をつくる。ど素人アラカン夫婦二人が一級建築士のサポートを受けながら、森の中の6坪ハウスをDIYするプロセスを工程ごとにまとめた記録です。

サッシ取り付けが完了し、次は透湿防水シートを張っていきます。透湿防水シートは木造住宅を結露から守るものです。

文字通り、建物外部からの雨水の浸入を防止する防水性と壁体内に生じる湿気を外部に逃がす透湿性を兼ね備えたツワモノです。本記事では透湿防水シート作業のプロセスを紹介しています。

目次

透湿防水シートの種類

ひと口に透湿防水シートといってもいろいろな種類があります。以前、小屋をつくったときはホームセンターに並んでいるものを買いました。


今回はちゃんとした家です。サポーター建築士からは「タイベック」を使用するようにとのアドバイスがありました。他のものに比べ断然性能が良いようです。下記のような見解です。

価格の安い透湿防水シートを探すといろいろ出てきます。これらとの違いは何と言っても耐久性。日差しや温度、薬剤に対して強いがどうかです。透湿防水シートは外壁板の下に張ります。つまり外壁板を張ってしまえば日差しは避けられるので、シートを張ってから外壁板を張るまでの時間が短ければ問題ありません。

ただ温度に対しては、森の中ですので平地に比べれば有利ではありますが、思っているよりもずっと夏場の外壁の温度は高いので問題ないとは言えません。木の家にとって防水は命ですので、屋根と同様、壁の防水もしっかりとした品質のものをお使いいただく方が良いかと思います。

このタイベック、いつものことですがホームセンターでは売っていません。困ったときのモノタロウ、ありました。ただ幅が50センチのものしか見当たりません。急ぐのでとりあえず2本購入しました。

下から貼っていく

シートは建物の下から上へ順番に重ねながら貼っていきます。雨水は屋根から下へ流れていきます。その際、壁下地に雨水が入り込まないようにするためです。

重ねしろは15センチにしました。10センチとかいろいろな情報がありますが、多い方がいいかなとの判断です。できるだけ細切れではない方がよいとのことで、巻けるところは切らずに貼っていきます。

シートを留めていくのがタッカー。ホッチキスの大きいバージョンですね。屋根のシート貼りで利用したハンマータッカーを使います。どのくらいの幅で留めていけばいいのか、いまいちわかっていませんでした。穴を開けすぎるのは良くないかなとそれなりで留めていきます。

一度穴を開けるとそこから雨水が侵入します。失敗しないよう慎重にかつしっかり打ち込んでいきます。横で継ぎ足すときも同様に重ねしろをつくります。こちらも10~15センチとっていきました。

タイベック追加購入

幅50センチで20メートル巻きなんてすぐになくなってしまいました。追加購入が必要です。同じサイズのものを買ってもぜんぜん足りません。どうしたものか?タイベック以外のもので探そうか?

サポーター建築士にきくと、やっぱりタイベックがいいとのこと。再度モノタロウで探すとタイベックシルバーなるものが見つかりました。調べていくと以前あったモデルは廃盤になりこれ一点だけみたいです。

1メートル幅50メートル巻きで税込2万円弱もしましたが、ずっと残る素地、タイベックシルバーを購入しました。届いた梱包には20年保証と記載があります。

そこまで品質保証をするんですね。製造年月もシートに記載があります。ただ表に出てこないものの保証ってどうやって判断するんだろう?と思いました。

実際貼ってみると薄く軽い材質。施工はしやすいのですが、こんなペラペラの紙で大丈夫なの?という感じ。高価なので慎重にムダのないように作業を進めていきます。

サッシ枠まわり

サッシまわりは他にも増して防水に力点を置きます。ブチルテープという防水テープを使用します。サッシの枠幅があるので75ミリ幅のものを入手しました。

これがまたあるようでないんですね。結局いつものカインズオンラインで店舗取り置きで購入することに。当日確実に欲しいというときに本当に便利です。

高所作業

下から上へ、だんだんと手が届かなくなります。足場がないので両側で支えるのにも限界がきます。

届かないところはあらかじめ大まかに寸法をとってカットしたものを貼っていきました。はしごをずらしながら、少しずつ少しずつの歩みです。

高さが一番ある西側のみ足場を組みました。とはいえ恐る恐るの歩みには変わりありません。

屋根下部分のスキマ埋め作業



シートが貼れるようにすべての壁面を埋めないといけません。最後に残ったのは屋根下の垂木の間の部分。

まず採寸して合板をカット。実際に合わせてみると縦がちょっと入らない。赤を入れて丸のこで微調整、再度はめてみる。よしこれでOK・・・この繰り返し。

合計6枚必要でこんなことを続けているとあっという間に半日以上かかっていました。いつものことですけど。

ログハウスをセルフビルドした友人によると、ちょっとしたスキマから虫の侵入が激しいとのこと。森の中では人間の方がアウエーなので仕方ないですね。スキマが残ったところはコーキングで穴埋めして仕上げ、完了しました。

金物・座金の穴埋め


穴埋めにはコーキングや発泡ウレタンを使います。細かなところがコーキング、それなりに大きな穴は発泡ウレタンが便利です。発泡ウレタンは手に付くとほんとにとれません。注意しましょう。


金物などで出っ張った箇所はそのまま透湿シートを貼ると引っ張られて破れそうになります。そんなときはブチルテープをその箇所に貼って、クッションにすると防水効果も出ます。

思いがけず来訪者

ある日のこと、家の床を歩いている虫を見つけました。「カブトムシの幼虫?」とヨメさん。よく見るとちょっと違うみたい。セミの幼虫でした。生きた幼虫を見たのは初めてです。

木に登れるように動かしてやりました。翌朝、現場に行くとタイベックの上に幼虫の抜け殻と並んで成虫の姿が。透き通った美しい色に急いでシャッターを切りました。

届かない箇所は残していったん終了

写真左上は5メートルほどあるので足場が必須です。後日、今組んでいる足場をばらして組み直したときにタイベックを貼っていく段取りにしました。

まとめ

シートを貼るだけ、そんなに日数は掛からないだろう・・・という読みはもろくも崩れました。寸法とりに時間と手間が掛かること、暑さで疲れがたまったこと、高所作業でペースが落ちることなど、予想できなかったことの連続でした。

セルフビルドは予期せぬことの繰り返し、ふたを開けてみたいとわからない。またまた実感する工程でした。

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