森のタイニーハウスDIY|自作の足場づくり編|アラカン夫婦体験レポート⑧

my forest,my home。自分の森で自分の家をつくる。ど素人アラカン夫婦二人が一級建築士のサポートを受けながら、森の中の6坪ハウスをDIYするプロセスを工程ごとにまとめた記録です。

家の西側は高さ5メートル程度になります。これまで臨時の足場などでしのいできましたが、さすがに透湿防水シートを貼るとなるとそれなりの足場が必要です。

足場をレンタルするとなるといくら掛かるのか?ネットで相場を調べると、規模や期間にもよるけど20万円程度必要になるみたい。うっ、高い!

後々使えるものでもないし、そのときのためだけに投じるにはあまりにもったいない。二拠点で行き来していると予期せぬことが起こる。期間もどれだけ長くなるかわからない。でも安全を考えるとどうなの???

いろいろと考え悩みました。ある日、ヨメさんが単管パイプを使ってDIYしている記事を見つけました。単管でやる方法はその頃たまたま訪れた店舗を自分で建築した人との話で頭に少し残っていました。

「ちょっとチャレンジしてみない?」とヨメさん。「よしやってみよう!」二つ返事で決まりました。できなさそうなことでも一度はチャレンジしてみる。それがセルフビルドですし。

目次

作業に入る前に必須!足場靴

ミドリ安全屋根用靴

高所作業をするにあたり、屋根作業で活躍してくれた屋根用靴を使用。これがまた大活躍してくれました。

脚立や足場は靴底が柔らかく軽い方がダンゼン動きやすい。まさに安全第一にしないといけません。

その点、このミドリ安全の靴は最高。足へのフィット感が抜群で高所恐怖症を軽減してくれます。もうこれなしで大工はできないと言っても過言ではありません。普通履きでもう一足欲しいくらいです。

まずは地ならし

足場になる地面は斜面で傾斜しています。できるだけ平らになるように、高い部分の土を削って低い部分に移していきます。ミニ切り土&盛り土ですね。

粘土質の土壌では土が固まらないので苦労します。本当は仕上げで転圧ですが、これも足で踏みならす程度しかできません。緩い部分には板を敷くことにしました。

最初の資材は建材屋さんで購入


次に資材調達です。ネットで調べると、ある建材屋さんが見つかりました。建材屋さんには興味があったし、割と近くにあって、価格を見るとホームセンターより安い。これは!と思って出向きました。

いろいろなものを置いていました。気になるけどまずは入手して進めないと。つくる足場は四角形のシンプルな形。必要な長さの単管パイプと単管をつなぐクランプと呼ばれるもの、下地になるベースをまとめて買います。

単管なんてこれまで全く縁のないもの。お店の人に尋ねながら手探りでの購入。軽トラに積んでいる間にヨメさんに支払いを頼みます。

「いくらやった?」お店を出ながらヨメさんに。「5万ちょっと、、」「えっ?」予想額より高い。ホームページで表記されていた価格は数年前のもので更新されてなかったようです。

値段もきかずに買ってしまった自分の責任ですが、やってしまいました・・・。

最終形がわかっていないからどうしたらいいかわからない。これがセルフビルドです。どんな形が正解なのかをイメージすることが大切です。

ネットでいろいろと探して見つけたのがこの絵。(引用;一般社団法人 中小建設業特別教育協会)なるほど、こう組んでいけばいいんだの道筋になりました。

単管が何本要るのか、クランプは何個要るのか?皆目見当もつきません。それなりでいいので図面を書いて数量を出していくとムダが出ないと思います。

僕の場合はそのあたりがいつものように「とっかん」。後から後から買い足しが発生して予算オーバーになってしまいました(汗)。

ホームセンターは一般の人が購入するものをそれなりにリーズナブルに販売しています。通常の単管ならホームセンターがベターです。その代わり、ちょっと専門的な部材は置いていません。専門業者との使い分けが難しいところですね。

単管と単管の接続

では実際に組んでいきます。最初に手こずったのがクランプ。そもそもどういう向きでどうはめていくかがわかりません。


クランプには直交と自在の2種類があります。直交クランプは単管パイプ同士を直角につなぐためのもの。単管パイプを受けるためには一定の向きがあります。

ああでもない、こうでもないと何度もやりました。いろいろやって、単管が下へ落ちないように受け皿にする側で留めていくことがわかりました。


自在クランプは文字通り向きが自由に動くようにできています。筋交いで斜めにするときに使いました。


クランプはボルトを締めて接続します。ラチェットという道具を購入しました。モンキーレンチでも使えますが、高所で締めたり緩めたりの作業性、スピードを考えると必須の道具。

足場を全面撤去したとき、ラチェットの有難みを再認識しました。まさに足場づくりの神道具。なしでは語れないでしょう。1500円程度で手に入ります。

足場は何もないところから縦に立てるパイプを自立させるところで一番手間取ります。最初に直角をつくり、次に端をつないで3点にする。そうすると自立しやすくなります。

言ってしまえば簡単な手順ですが、実際やるとそれがわからず大変な思い。夫婦げんかの原因にもなります(笑)

単管パイプの延長

高さは最高5メートルになります。3メートルと2メートルをつなぐ方法にしました。5メートルの単管もありますが、運搬が大変なのと重くて立てるのに苦労するからです。


接続するのに何を使うのか?建材屋さんでは右も左もわからず、ボンジョイントなるものを買いました。実際はめてみると、なぜかボルトを回してもうまく広がらなくてスキマができてグラグラします。

どうやってつなぐんだろう?ググっても適切な情報が出てきません。そもそも足場用としては禁止との表記まであります。

いろいろ調べていると、ジョイントには、ボンジョイント以外に直線ジョイントやロックジョイントというものがあり、足場用はこの2つを使うようです。ただそれにはピン付きの単管パイプじゃないと使えないとの内容。

えっ?単管パイプにはピン付きとピンなしとがあるの?足場用はピン付きが必要とわかりました。

そんなこと知るすべもありません。いつものホームセンターにはピン付きは置いてなかったんですね。もう後の祭りです。さあ代替策でどうするか?

親切な店員さんに相談したり、店頭で試してみたり・・・結局ボンジョイントで接続したものに単管を重ねて付けて補強する方法なども思案しました。

結果はボンジョイントのみでの接続に。上からの荷重、慎重に動けば良しという判断に至りました。

足場板の設置

足場板はスチールやアルミ製のものを売っていますがそれなりに高価です。これ以上いろいろ買っていたらキリがありません。以前チェンソーで製材したアカマツの板で代用することにしました。

問題は単管パイプとどうやって固定するか?金物などで固定しようと考えましたが、ちょうどいいものが見つかりません。ホームセンターの店員さんアイデアで垂木どめクランプを使うことにしました。いろいろ考え尽くすと方法が浮かんでくるものですね。

最難関の高さまで延長

足を乗せる場所が2メートル強までの足場はこれで完成しました。残すはさらにその上、足の置き場が3メートル強の場所です。

どうしたものか?いろいろ考えた末、筋交いを強化して、2メートルの単管2本を横につなぎ、その上に垂木どめクランプ、足場板という段取りに。何とか最上部までたどり着きました。

もちろん、足場ができただけで実際に上るのは別問題(汗)このあたりは実作業編で書いていきます。

自作単管足場で掛かった費用

で、どれだけ費用が掛かったの?というところですが、ざっくり7万円弱。高いと思うのか安いと思うのかは個人の判断ですが、僕たちはこれから他にも建築物をつくっていく予定があり、そこでも使えるのでこれで良し!としました。

※ちなみに下記価格は原材料費が高騰し、物価高の真っただ中の時期(2023年夏頃)です。その分踏まえて目安としてみておいてください。

部材名単価数量金額(円)
単管パイプ3メートル21701021700
単管パイプ2メートル147068820
単管パイプ2メートル128022560
単管パイプ1メートル700149800
ジャッキベース128045120
固定ベース3252650
ボンジョイント270102700
直交クランプ205449020
自在クランプ2104840
アカマツ野縁(足場板留め)43841752
垂木止めクランプ198163168
合計66,130
自作足場の材料費

足場撤去の解放感

自作足場を撤去した外壁張り

横、表、裏と結局3面で足場を設置することになりました。設置して撤去して設置して撤去して・・・何度も繰り返し。最終作業を終え、足場を撤去したときの解放感は言葉では言い表せません。

途中で現場へ入れない時期もあり、振り返ると3ヶ月強も設置していたことになります。感慨深いですね。

もしこの間レンタルしていたとしたら、とんでもない金額になっていたことでしょう。自作足場にチャレンジして良かった!思い返すとよくわかります。

まとめ

足場をどうするかでかなり作業は停滞しました。業者さんに頼むか自分でやるか。自分でやるならどうするか調べるだけでもそれなりの時間。あとはやってみるしかありません。躊躇する時間は惜しいです。

高所作業は下でやる作業よりはるかに時間が掛かります。肌感覚だと3倍近くになるかも。あらかじめ、その分を読んでスケジュールを立てておかないと予定は大幅に狂います。

安全と確実性を優先するならやっぱり業者さんに依頼するのがベスト。素人がやれることは限られていますから。ただ一度つくるとそこそこ要領を得ます。一ヶ所だけでなく他にも足場をつくる予定があるならチャレンジするもありです。

自己責任の範囲内で自分でできることをトライする。そうすると、今まで全く知らなかった足場の世界を垣間見ることができます。セルフビルドの醍醐味ですね。

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