小さな森の家を軸組み工法セルフビルドで建ててみた!

自分の森に在来工法で6坪の小さな家をゼロからつくる。森と町の二拠点を行き来、ざっくり2年の月日が流れました。

最初は数泊できる小屋でも・・・と思っていたのですが、何となくやろうかという流れに。

どうせやるのなら、基本からきちんとやってみたい。そんな想いで軸組みにチャレンジ。

たまたま近隣に住んでいた知り合いの一級建築士サポートのもと、何とか最後までやり切ることができました。

職人さんの偉大さに感服。

頭の整理も含めて、木造住宅の正しい建築手順(一級建築士監修)と実際に自分たちがやってきたプロセスを記しています。

森の暮らしをはじめていきたい、家をセルフビルド、ハーフビルドしたい人の何か一つでもお役に立てば幸いです。

目次

木造住宅の建築手順

一級建築士レクチャーによる木造住宅の建築手順は次の通りです。それぞれの工程でどんな職人さんが登場するのかも興味があります。

僕たちは出たとこ勝負で作業を進めたので手順はわかっていませんでした。

実際建てた後、こうしてレクチャーを受けると、「あ、そうだよね」「順番はこの方がいいね」「このためにやってたんだ!」と腑に落ち感が半端なかったです。

初めてやる人は手順の全体像を知っておいた方がいいかもしれません。

建築主体工事

仮設工事職人さんが仕事ができる環境を用意します。電動工具を使うための電気の仮設、水道の仮設、足場、仮設トイレといったもの。足場は1日いくらのリース料です。
基礎工事基礎屋さんが実施。
木工事大工さんが実施。工程として一番長いものになります。「まず屋根を終わらせる」のがひと区切り。養生が大変だから。そのためのステップを踏みます。土台→柱→桁・梁→母屋・垂木→合板という流れ。建て方と呼ばれます。石膏ボード、階段、はしご、キッチン、洗面台も含め、木の家は8割方大工さんが行います。
屋根工事屋根屋さんが実施。ルーフィング→屋根材という順番。僕たちは一般の人でもやりやすいアスファルトシングルにしました。
板金工事瓦屋さん、板金屋さんが実施。雨どいもこれに含まれます。
建材工事
鋼製建具工事サッシです。サッシが入らないと壁が仕上がりません。いち早く壁から雨が入らないようにする目的もあります。サッシ屋さんは基本現場に持ってきて置くだけ、設置は大工さんです。
木製建具工事建具屋さんが実施。玄関ドア、引き戸、障子、ふすまといったものです。自分のところでつくってきて現場調整します。
左官工事下塗り、上塗りで2~4日
塗装工事
家具工事家具屋さんが実施。無垢材でこだわり家具にしたいなどのときに。僕たちは自生の赤松を使うことにこだわり、自分でつくってみました。

住宅設備工事

家まわりの生活に関わる設備機器の工事です。具体的にはお風呂、トイレ、洗面台、キッチン、給湯器といったものです。

給排水設備工事

上記の住宅設備機器の配管工事です。お風呂、洗面台、キッチン、トイレへの給排水をつないでいきます。

電気設備工事

宅内のコンセントとスイッチ、分電盤など電気配線をする工事です。

ガス工事

給湯と調理まわりをガスにするときに必要になります。ちなみに僕たちの家は石油ボイラーにしました。

その他工事

ロールスクリーンやブラインドといった種類のものです。

僕たちの6坪ハウスをプロが森の状態からつくっていくとしたら、急いでやっても5~6ヶ月掛かるそうです。

実作業もだることながら、材料の調達や申請手続きなども挟まったり、なんやかんやで時間が掛かります。

ど素人夫婦二人で二拠点を通いながら2年。我ながらなかなかのものなのかも?笑

実際にセルフビルドしたプロセス

正しくは上記の順番。今回はド素人がゼロからやっていく上で、サポーター建築士がいろいろ配慮してくれた結果のながれです。

後から思い出せるように、結構リアルタイムで記録を残しています。何かのお役に立てばうれしいです。

独立基礎をつくる

穴掘りは根とのバトル、束石は水平との闘い。粘土質の土は濡れるとドロドロ。いやあ、体力勝負でした。

土台・床下をつくる

斜面に水平な場所ができる!感動の瞬間は忘れられません。

桁と梁を組み立てる

刻み加工、力仕事とバランス・・・大工さんの偉大さを痛感する工程です。

母屋、垂木、棟上げ

高所作業の恐怖との戦い。足場なしで無謀な取り組みをしました。

屋根をつくる

屋根が焼けてアスファルトシングルが溶け出したり、ケラバにはとんでもない苦労・・・高所作業の極みでした。

壁下地、サッシをつける

窓台、まぐさの水平取りに四苦八苦。サッシは重すぎて運べない。一級建築士サポートのもと、何とかはまりました。

透湿防水シートをはる

簡単そうで意外に手間と時間の掛かる作業。防水の重要性が痛いほどわかります。

足場を自作する

順番としてめちゃくちゃ遅いですが、コストを考え、ぎりぎりどうしても必要という工程で自作しました。足場は重要です。

胴縁、野縁をつける

胴縁は細かな作業、早く終わると思いながらそうでもなし。酷暑対策で急遽、屋根断熱材を2重にすることに。野縁という作業へと広がりました。

外壁をはる

時間的に一番掛かったのが外壁張り作業。こんなに大変だとは・・・。でも唐松にして良かった。

天井板をはる

上を向いたままの作業、地道に進んでいく工程、重労働でした。70枚全て張り終えた達成感は半端なし。

断熱材の仕上げ

全て手間と時間が掛かった中で比較的やりやすかったのが断熱材。ただし、屋根下は寝転がってダイハードばりの姿勢、なかなかのものでした。

間仕切り、石膏ボードをはる

ひたすらカットしてはめ込んでいく。穴開けや角の調整など。室内は石膏ボードの粉だらけでした。

床の根太、スタイロフォーム

スタイロフォームをどうやってカットするのがいいか?いろいろと調べて自分なりの方法を見つけました。すっきり入らず苦労しました。

フローリングをはる

窓側から順番に張って最後の2枚をどう調整するか?頭を悩ませ、最後に巾木。やりながらどうする?どうする?の連続でした。

漆喰を塗る

予想をはるかに超える作業時間。ひたすら塗っていく工程は根気の連続。その分仕上がりには満足。木と漆喰はベストマッチ。

洗面台、キッチンをつくる

フィールド自生の赤松利用にこだわりました。全て人生初、何とか形になりほっと安心。

玄関をつくる

最後の最後の大難関。錠の穴をまっすぐ開ける、蝶番の調整、付けた後の木の伸縮・・・玄関ドアは深いです。

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