my forest,my home。自分の森で自分の家をつくる。
ど素人アラカン夫婦二人が一級建築士のサポートを受けながら、森の中の6坪コンパクトハウスをDIYするプロセスを工程ごとにまとめた記録です。
漆喰が塗り終わり、内装のメイン、洗面台とキッチン製作に掛かります。
キッチンシンク・洗面ボウル・蛇口の調達
ネットでいろいろチェックしてみましたが、あるようでない。物が物なので現物も見てみたい。
埼玉自宅から小1時間のところにあるIKEAへ行くことに。
やはり現物を見ると違います。部材には排水管、止水栓などがあることがわかりました。とりあえず洗面ボウルまわりを購入。
ところが、いったん購入した後に重大なことに気づきます。寒冷地仕様という視点。「蛇口はどうなの?」「排水管は?」
信州は寒いので水道管が凍結してしまいます。すっかり抜け落ちていました。
設備業者さんへ確認を入れます。蛇口(混合栓)は間にホースなどが入っていない場合は寒冷地仕様でなくてもOK、入っている場合は寒冷地仕様。排水管は心配なしとのこと。
洗面台は問題なし、キッチンはシャワー方式なので寒冷地仕様にすることにしました。それだけで結構高価になります。痛い出費、やむを得ず。
天板の板を継ぐ方法
天板の板は一枚板だと高価です。集成材も使いたくありません。そうすると幅が足らないので板を継がないといけません。
板と板を継ぐことを接ぐ(はぐ)と言います。建築用語はほんとに深い。
記事やYouTubeをみるといろいろ出てきます。ダボ埋めは何となく知っていましたが、ホールジグという手法があるみたい。
ホールジグは、やりやすそうですが道具が必要になります。買った方がいいのか否か?サポーター建築士に質問すると、施工のしやすさではベター、今後板を接ぐ機会が多いなら持っていてもいいかもという回答。
フィールド自生の赤松利用で板にすることも多々ありそうです。とにかく前へ進めることしか頭にありません。迷わず購入しました。
材料の調達
フィールド自生の赤松から板づくり
大きなテーマがあります。それはフィールドに自生する赤松を新たに生まれ変わらせるということ。
倒木の危険性などあって「厄介者」扱いになっている赤松たち。伐採して薪にするだけだと忍びありません。
その入口として、家の中の家具で使えないだろうか?そんな想いにいます。
1年半以上前にチェンソー製材して挽いた材を自然乾燥。やっと日の目を見るときが来ました。
カビなどあるので軽くカンナをかけて状態を確認します。
今回は目に見えるもの。比較的きれいな箇所をサイズに合わせ一枚の板に仕立てていきます。
表面にできたカンナ筋、厚みの違いなどクリアしないといけない課題はあるけど、何とか一枚切り出すことができました。
精度を上げて天板に仕上げていきます。
3月終わりは雨続き。家の中での作業になりました。
大量のカンナくず。赤松特有のいい香り。何かにできないか妄想します。今は余裕がないけど・・・。
板と板を接いでいきます。購入したポケットホールジグをおろします。
YouTubeを見よう見まね、恐る恐る使い始めます。突き抜けないか?割れないか?端材で何度か試します。
時間を掛けながら何とか接ぎ終えました。あとは表面の凸凹をならしていったん完成です。
キッチン天板は長さが必要です。2メートル弱でチェンソー製材した材を使っていきます。
半端ないカンナくず。これまで手探りで使ってきた電気カンナ。最初は1ミリ目盛りで端から端まで削っていき、微調整を0.25~0.5ミリでやるとうまくいきそう。
斜めにするとか、行って戻るを繰り返すと削った後の線が残ってしまいます。コツを覚えないと。
ビフォアアフター、まったく変わります。1年半寝かせてきた材がデビューを待ちます。
両端をカットして板に仕上げていきます。この端も何かに使えないか思案します。
半日かけて6枚、完璧とはいかないまでもそこそこの仕上がり。愛情だけは注ぎ込みました。
ランバーコア
できたら自生の赤松で全部つくっていきたいのですが、工期が迫っていて板づくりに時間を掛ける余裕がありません。
サポーター建築士に相談すると、ランバーコアなる材料を教えてくれました。
ホームセンターで早速下調べ。集成材ですが見た目は自然な感じです。ラワンとシナがあり、シナの方が自然な風合い。何よりこれだと精度は高い。
大きな板だと集成材でもこの値段。無垢材へのこだわりをどうするか?思案のしどころです。
洗面台
天板の加工
IKEAの洗面ボウルを載せていきます。ざっくりした説明書、これでいいのかなあ・・・という感じ。
載せただけではサイズ感がわかりません。穴を開けることに。
型紙通りにジクソーで。これでほんと合ってるの?と不安になりながら開けてみました。載せてみるとイケそうです。
最後に反り防止で板をあててとりあえず完了です。
受け材づくり
続いて洗面台を設置するための受け材を付けていきます。左右と奥の三方をコの字で囲む方法です。
洗面台の板とボウルの重さが予想以上、荷重に耐えられるか心配になりました。足を付ける?そうするとシンプルに仕上げたいところが野暮ったくなります。
悩み倒した挙句、ヨメさんから妙案。奥の角だけ足を付けることに。角で一部寸足らずになった腰壁張りの目隠しにもなります。
一時は間仕切りに貼った板を全部剥がして、間柱強化など全面やり直しも視野に入れました。そうすると水道工事の日程延期にもつながる重大事態を免れました。
ビス止めは見えなくする加工をするため、皿取錐&埋木錐なるものを入手。内装は細かなところに気を遣います。
特に皿取錐はこの後しょっちゅう使うことになる便利なビットになりました。
受け材が完成。出来上がるとあっけないけど、ここまで来る道のりは長かった・・・。
洗面ボウルを載せてみました。うんうん、なかなかいいじゃん。自画自賛に浸ります。
赤松は反りが出ます。サポーター建築士よりこの程度では下地が弱いとの指摘。2×4を半分に割いた材でやり直しをします。反り防止材には受け材の高さが重要です。
天板の固定は下地材の下からビスで引っ張るように打ちます。天板から打つとビス頭から水が染み込み、溜まって腐ることにつながります。
天板に反りがあったので上から荷重して、これも下から引っ張るようにビス止めします。水道管が施工後できるだけ動かないようにするためです。
再度つくり直してはめ込みました。
洗面ボウルと天板の接点にコーキングして締め。この後、水道配管は業者さんへ委ねます。
S字トラップは見せられるよう金属のものにして堂々完成。シンプルな外観に満足度高し。
キッチン
サイズを決める
次にキッチンです。最初にサイズイメージの確認。長さ180センチの材はとれません。さあどうする?
キッチンシンク&調理スペースとIHヒーターを置くスペースで分けるとどうか。こんな感じかなあ?大まかなサイズを決めます。
天板づくり
洗面台と同じく、フィールドで自生していた赤松からつくっていきます。洗面台より大きなサイズ、平面出しに苦労します。
板と板の接合はポケットホールジグ。だいぶ慣れてきました。
今回もいろいろな道具たちにお世話になりました。終わったら整理しないと。
シンク部分を抜き取ります。失敗したら板加工からやり直し。最悪の事態は絶対に回避しないと。慎重に慎重に採寸していきます。
ジクソーで切り取り。なかなかはまらず微調整に手間取りましたが、何とか完成。ところどころの凸凹が気になりますが、先へ進むことにします。
キッチンを組む
ランバーコアをキッチンサイズに合わせカット。1枚8000円ほどで結構高価な合板、これも失敗は許されません。
板と板のビス止めをどうするか?見えないところはそのまま打てばいい。見えるところは?
ホールビス?板が厚くないのでビス飛び出るのでは?ビスで打ってダボかな?悩みに悩みます。
YouTubeや記事を見ていても時間ばかり過ぎていきます。最後は自分で決めるしかありません。
入手した皿取錐&埋め木錐を使ってやるのが得策?やったことはないけどとにかく前へ進めないと!
箱づくりは直角と水平に重点を置きます。特に直角。クランプを駆使して固定、慎重にビス止め。
底板をつけるか否か。足元はすっきりさせたいので底板ではなく、ランバーコアを立ててつくることにしました。ただこれだと横ゆがみしてしまいます。奥に下地材を入れて背板と接合することで固定しました。
天板との接合は水が染みて入らないように、天板を上に張っていきます。これを「天板を勝たせる」というそうです。
シンクの取り付け
IKEAシンクDIYとか検索するといろいろ出てきます。えっ?消音シール?こんな金具あったっけ?なんていうものも。もう一度確認しないといけません。
シンクと天板の間、カットした断面などに何か塗った方がいいのか?いろいろ疑問が出てきます。
いろいろ調べてシリコンコーキングらしい。サポーター建築士にも確認しました。
水道配管ができていったんひと区切り。まずは完了検査、落ち着いたら幕板と棚板をつけていきます。
天板の拡張
検査終了後、IHヒーターを置くスペースを拡張していきます。
耳を落とす、直角をとる、カンナをかける、厚さを調整する・・・。手間と時間が掛かります。でもこれだけはこだわり。やり切ります。
メイン天板と同じ工程の繰り返し。しばらくやらないと忘れてしまいます。
とりあえずはめ込み。あとは折々手直ししていきます。タイニーハウスは進化し続けます。
まとめ
人生初の内装家具づくり。今までと違って見せる部分が多いこと、精度が要求されることでやり方が変わりました。
テーマに置いていたフィールド内の赤松利用ができたことが何よりの成果。今後も森の資源が循環できるようチャレンジしていきます。