my forest,my home。自分の森で自分の家をつくる。
ど素人アラカン夫婦二人が一級建築士のサポートを受けながら、森の中の6坪ハウスをDIYするプロセスを工程ごとにまとめた記録です。
床の下地ができたので、いよいよフローリングを張っていきます。
フローリング材料選び
毎回の恒例、材料をどうするかから始まります。
樹種をどうするか?広葉樹は硬くて耐久性がある。針葉樹は杉が中心、やわらかくて踏み心地がいいといった特長があるみたい。
色合いは薄目の方が部屋が広く見えて開放感があるかも。サイズは設計図面通りの15ミリ厚、釘が隠れる本実(ほんざね)加工。あとはコストですね。
いつもの製材屋さんへ相談。納期とコスト、材料の具合からパイン(松)材に決定しました。坪単位で価格が決まる独特の世界です。ロフト施工分も合わせ9坪手配です。
フローリングの割り付け、張り方の方針立て
まず、どう割り付けるかから。ジョイント部分を一定にすると良くなさそう。じゃあ互い違いにするにもどこでどうカットしていったらいいの?
材の両端ジョイント部分にはオスメスの実(さね)があります。カットした後、ジョイントできるように組み合わせを考えないといけないの?
張り始めはどこからいくのか?できたら削って微調整したサッシ側から張っていきたいけど。
壁際はピタッとつけないといけないの?それとも数ミリ空けるの?
材の伸縮があるから、フローリングとフローリングの継ぎ目はピタッといくの?それとも空けるの?
どうする?どうする?が頭を巡ります。サポーター建築士に相談。すぐさま返信、でも文章だけでは理解ができません。
煮詰まったので場所を変えて朝マクドへ。こんなときは絵が必須。建築士の文章と自分の頭の中を書き起こしていきます。
再度、建築士へ送信。絵にもとづき注意事項をフィードバックしてくれました。図面で話すのが基本の世界ですね。
- 壁際は5ミリ以内に仕上がったら上出来。どうしても隙間ができるので巾木で隠す。
- フローリングとフローリングの継ぎ目は、名刺1枚を差し込む。
- ジョイント部分は隙間不要。木の繊維と垂直なのでほぼ伸縮なし。
- フローリングの端は、止める部分に根太がある位置に合わせる。
やりとりの結果、疑問点が明確になりました。
最初の一枚
施工スタート。まずはフローリングが張れるように部屋スペースを片付けます。
おおー壮観!今しか見れない景色を記録に残します。
最初の一枚はいきなり柱部分に掛かります。薄いコの字カットと端の欠きこみ。張り始めがズレると後々に大きな支障が出てきます。
慎重に慎重に。採寸しっかり、割れないように。それなりに時間と手間を掛けました。
とかやっていると、あっという間に夕方。寒さもあって今日はここまで。野暮用があり、いいところでいったん自宅へ戻ります。
1週間後、作業再開。最初の一枚の幅をちゃんと合わそうと何度も採寸。残った部分も付け足していったん仕上がります。
と思った瞬間、重大なことが判明。実(さね)の位置が逆さまになっているではないですか!
あ゛ーーーー、せっかくちゃんとできたのにーーーー。絶句です。
気を取り直して、再度イチからカットし直し。つくった材が型紙になったので意外に早く復旧。ほっと一安心です。
中盤の作業
本実(ほんざね)のビス打ちは、天井板張りでやった作業が功を奏します。細ビスもあらかじめコメリで仕込むことができました。
さあ、加速しようと思った矢先。下穴きりが見当たらない!えっ?なんで?道具がなくなるのはいつものこと。
フローリングの端っこ部分は下穴をあけないと実(さね)が割れてしまいます。急遽カインズに走る。往復でロスが発生します。
あとは柱をよけるとか、細かい採寸カットでペースを落としながらも進行。
外で材をカット、家の中に入ってはめ込んでいく繰り返し。おかげさまで自主スクワットトレ状態。
実(さね)同士のはめ込みはあて木と木槌でパンパンと。だんだんと流れができていきます。背中を丸めた作業姿勢、かなり腰にきます笑。
暗くなって見えなくなったら店じまい。詰め込んでもできることは限られる。夫婦セルフビルドの宿命です。
いきなりの雪で外作業スローペース
3月初。暖かい日が続き、もう春かなと思っていたら、いきなり雪が降りました。外に出ているフローリング材が濡れないように慌ててタープ下に移動。
カット作業は狭いこの場所で継続することに。いやあ、手がかじかむ〜。
間仕切りまわりの細かい加工がこんなときに限って発生します。
何とか峠を越えた模様。あとはほぼ同じ長さ、最後の一枚をどうするかだけです。
最後の一枚、超難関
一枚一枚張っていき、いよいよ最後の一枚がみえてきました。仮であててみるとスキマが2センチちょい出そうな感じです。
どうする?まずはサポーター建築士へ電話。「これは難しいですねー」とめずらしく唸ります。そうなんだ・・・と少々不安に。
「真物(まもの)をまん中に両側を加工した材でサンドイッチするか、もしくは最後のスキマ2センチを先にはめて、真物(まもの)2枚を山なりにして叩き込むかの方法ですかね・・・」
と思案の末の回答。真物(まもの)って呼ぶんですね。建築用語いろいろ知ることができます。
フローリングの最後の一枚は入れづらいので、スキマを残して巾木で隠す方法になるようです。ビス止めもできないので、ここだけは白ボンドを使った方がいいと。
実際にどんな感じになるか墨をつけてみます。やはり2センチちょい。場所によって数ミリ違います。う~ん・・・。
いきなり広い場所だとこわいので、洗面スペースで山なり方式を試してみます。叩き込んでも入っていきません。NG。
スキマがぴったりだからきつくなるのかも?材をはずして再度加工、チャレンジしてみます。すると、納まりはしたけど手前のつなぎ部分にスキマが出てNG!う~ん・・・。
どうする?どうする?頭の中は飽和しながらもフル回転。
そうか、あらかじめ2枚分をくっつけて差し込み、残ったスキマ部分で数ミリ幅広の材を叩き込んでみたらどうだろう?
このくらいしか策は見つかりません。あとは実行のみ。長い材を2枚はめ込むのにひと苦労、やっと差し込みができました。
もう外は真っ暗、いつもならここで店じまいです。でも白ボンドを塗ってしまったのでこのまま帰るわけにはいきません。
暗やみの中、手元の灯りだけでスキマ材を割いていきます。そして差し込み、必死で叩き込んでいく。するとすると、はまっていったではないですか!
時計の針は19:40、何とかやり切ることができました。いやあ苦労しました。
リビング仕上げ、トイレ、洗面
リビングのスキマ最後のはめ込み。前日の夜なべの甲斐があってピタッと。やった!
トイレと洗面スペースは二人で分業。リビングのミニチュアバージョン。試行錯誤した分、スムーズに進む。気を遣うのは最後の一枚はめ込みのみ。
トイレはヨメさん一人で最後まで仕上げました。こだわってやり切る姿勢がすごい。身内ながら脱帽。
洗面は足元部分の加工が細かかったことと、やっぱり最後の一枚。うまくいかなかった分、スカッと入る格別の瞬間。完成です。
巾木をつける
フローリングの最後の締めが巾木。巾木とは壁と床の境目に取り付ける部材です。
それまでそんなに重きを置いていませんでした。最悪なしでもいいかなと。実際はとても重要な役割を果たすものでした。
巾木の役割は3つ。端っこにできたフローリングのスキマを隠す、掃除機などが当たったときなどの汚れとキズの防止、そして部屋をおしゃれに引き締めるです。
材料探しでまずホームセンターへ。いつものコメリでは樹脂材のものしかありません。ここまで無垢材で貫いてきました。最後まで全部無垢でいきたいです。
カインズには無垢材はありましたが、細工模様が入っていたり長さも足らずでイマイチです。理想は無垢で厚み10ミリ、幅40~50ミリ。
どうする?ここはいつもの製材屋さんへ頼むしかありません。4メートル材で4本程度、少量なので受けてくれるか否か。
電話すると「やれるよ。いつまでに要るの?」と二つ返事で快諾してくれました。材は檜、御の字です。
セルフビルドに小回りが効いて少し無理が相談できる製材屋さんが必須。再認識した瞬間です。
数日のうちに出来上がり現場へ。その日のうちに加工に入ります。
壁際を細かく採寸カット。重なるところは45度に加工、丸のこで初トライ。そこそこの出来栄え。
出隅もそこそこ、うまくいきました。
あとは、白ボンドとこれも初トライの隠し釘で浮き上がりを防止、後から折ります。ようやく床が仕上がりました。
まとめ
フローリング作業、もっとスイスイいくかと思っていました。ふたを開けるととんでもない。特に最初の一枚と最後の一枚には泣かされました。
フローリングは、一にも二にも「最初の一枚、最後の一枚」そして「割り付け」ですね。
季節柄、思わぬ雪に何度も見舞われて作業が滞ったことも後で思えば良き想い出。
セルフビルドは全ての工程で事件が起こります。最後は現場判断、思い切ってやってみるしかありません。良き人生経験をたのしみました。