母屋着工にあたっては、やはり現地でしっかり根を下ろさないと進みません。10月半ばにさしかかり、朝晩の冷え込みが出てきました。
当初テントに泊まりながらと考えていましたが、とても現実的ではありません。というかやはり現実に直面しないとわからないものです。ちまちまやっていては埒が明かない。
そこで現地に賃貸アパートを借りることにしました。コスト面、労力面、疲労面、効率面･･･総合的にみてその方がメリットがあると判断しました。
現地に賃貸を構えるとどんなメリットが出たのかをまとめてみました。二拠点で開拓作業をする際の参考にしてみてください。
開拓作業の進行度合い
何はさておき一番変化が出たのが作業の進み方。一気に進むようになりました。二拠点を行き来していたときは長くて３泊４日、天候などの影響で短いときは１泊で帰ることもありました。
予定していた作業は実際に取り掛かると思ったように進みません。途中で近隣の人が声をかけてくれたら立ち話もします。「あ～、今日はここまでかあ･･･」なんてことが多々ありました。
賃貸で拠点をつくると、今日はここまで明日はその続き、そうすると今週はこれくらいいけそう･･･と大まかに読めるようになります。
やっぱり腰を据えて掛かるのがベストですね。
往復の交通費
高速代とガソリン代、これが結構な固定費になっていました。ざっくりとした計算ですが月額4万円。これに気づいたとき、家賃が交通費に収まればペイした上にお釣りが来ると判断しました。
雨天時の臨機応変さ
雨には悩まされました。現地にいても雨が降ると予定をキャンセルして帰宅する、自宅にいて雨予報が出たら現地へ行くのをやめざるを得ない状態でした。開拓工期が大幅に遅れた大きな要因は雨が多かったこと。
現地に拠点があれば午前だけ作業しに行くとか、雨が降ってきたら切り上げるといったことができます。そうすると俄然、作業が進み始めます。
時間、労力、疲労
二拠点で通っていると時間の制約が出ます。初日に少しでも現地作業時間を取ろうと思ったら、早朝に出発しなければなりません。早朝でロングドライブをするとその日は疲れが出てモノになりません。
フィールドから戻った翌日も疲れが残ってろくに何もできないような日々が続いていました。気力は充実していても身体が追いつかない。やはりアラカンですね。目に見えないけど実はこれが一番大きかったのかもしれません。
食事代
テント拠点の間はほぼスーパーの総菜を買っていました。水もなく仮にあったとしても調理する時間なんてとれません。毎回総菜だと食事のバランスが崩れてからだに良くないし、毎回買うのでコスト的にも掛かります。
自宅との往復時には道中で外食もします。こんな感じで食事代もチリツモになっていました。
トイレ
トイレは重要な問題です。山の中は当然のことですがトイレがありません。浄化槽を設置するまでは何もない状態です。仮設トイレを借りようとも考えましたがコストが合うかなあと先送り。近隣の道の駅まで行って用を足すといった毎日を送っていました。
お風呂
テント拠点で開拓をしていた頃は、その日の作業が終わると近隣の温泉を利用していました。これはこれで気持ちの良い時間でした。
でもコストは一人500円で二人なので一回1000円、3拍すると3,000円、1ヶ月だと単純計算で12,000円にもなります。
コスト的なものもありますが、実際住み始めて一番感じるのは家にお風呂があることの有難さ。暑いときは汗まみれをさっぱりと、寒いときは冷え切った身体を芯から温めてくれます。お風呂に入るだけでその日の疲れを癒すことができます。
これだけでも賃貸の価値あり！という感じ。家風呂の有難さを実感したのも二拠点から賃貸方式でわかった大きな成果と言えます。
ごみが捨てられる
テント拠点の頃は、ごみは全て自宅に持ち帰っていました。連泊するとそれなりの量になっていきます。汁物もそのまま流すわけにはいきません。お湯を入れて最後まで飲み干すといったことをやっていました。（これはこれで大事なことですが）
決まった日に家の近くでごみが出せる。それがどれだけ助かることか実感しました。ちなみに賃貸拠点を機に、生ごみはコンポストを設置してリサイクルをスタートしました。毎日の変化がたのしみです。
洗剤で洗い物ができる
フィールドには排水設備がありません。汚れ物や洗剤を流すこともできません。洗い物はペーパーでふいてさっと水で流し、自宅に持ち帰ってちゃんと洗うという方法でやっていました。それなりの荷物がまた増える、自宅に戻って二度手間を繰り返していました。
まとめ
開拓作業は何日かをアウトドアで遊ぶキャンプとはわけが違います。賃貸はテントを建屋に持ち込んだ程度のレベルですが、こんなにも毎日が改善されることに驚きました。
そんなの普通の生活だったら当たり前じゃん･･･ということがとても有難いことに変わる。開拓をしていると日常の便利さを再認識することができます。有難いは当たり前の反対、まさにその通り。開拓生活には思わぬ副産物がたくさんあります。
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