「定年後の働き方」に森の暮らしという選択肢

「定年後、どう生きていけばいいのか・・・」そう感じる人が増えています。
年金は心もとない、物価は上がる。再雇用ではやりがいが見つからず、「もう人に使われたくない」という声もよく聞きます。
一方で「何をすればいいかわからない」「都会での暮らしに疲れた」という人も少なくありません。
そんなときにおすすめしたいのが「森を拠点にした働き方・暮らし方」です。
「森で暮らす?そんなことできるの?」そう思いますよね?ポツンと一軒家で自給自足しよう・・・というものではありません。
常日頃は森をベースグラウンドにして、自然の中にいながらにして普通に仕事をまわし、必要なときは都会へも出向くというライフスタイルです。
リモートワークや複業が一般化した今、森の中で暮らしながら自分のペースで働くという新しい生き方が始まっています。(ちなみに筆者は実践実験者です^^)
定年後=悠々自適ではなく「創生」の時代へ

「老後はのんびり」という時代はもう終わりました。人生100年時代、60代、70代になっても現役が当たり前。
「老後の計画を考えよう・・・」ちょっと待ってください。「老後」という言葉を口に出した始めたら、老いが始まります。第二の人生はこれからです。
ただし、ここで大事なのは「どこで、どう働くか」。
都会で通勤や閉塞感の中に追われるよりも、自然の中で暮らしと仕事を一体化させることで、無理なく自分らしく働き続けることができます。
森の暮らしでは、仕事を探すのではなく「つくる」

森の中では、暮らしと仕事がゆるやかにつながっています。日々自分がやっていること、ご近所さんが手掛けていることから発想が浮かびます。
ほんの一例ですが、こんな小商いのヒントが転がっています。
- 焚き火や木工などの体験提供
→ 森をフィールドに、焚き火・薪割り・木工体験などを企画 - 森の素材を活かしたものづくり
→ 木の枝や倒木を使ってスプーンや椅子を制作・販売 - 宿・アトリエ・キャンプ場などの場づくり
→ 使われていない別荘地を再生し、仲間と共有できる場所に。
どれも大きな商売とは言えません。けれど「誰かの役に立つ」「自然とつながる」感覚は何よりの報酬になります。
60歳を過ぎると年金がもらえます。年金プラスαを誰かの役に立つでつくっていく、自分たちが食べていける分を稼ぐ、そんなイメージです。
これからの時代に求められるのは「生きがい収入」。お金だけではなく、心の満足度を軸にした働き方です。
二拠点生活という無理のない第一歩

いきなり移住する必要はありません。森と町を行き来する二拠点生活も少しずつ一般的になっています。
- 平日は街で暮らし、週末だけ森へ
- 季節ごとに森で過ごす「リズム暮らし」
- 森を通える田舎として活用する
完全移住よりも続けやすく、生活コストも調整しやすい。なにより、心のON/OFFがしっかりつけられるのが魅力です。
森で暮らすための4ステップ

「興味はあるけど、どう始めればいいの?」という方へ。初めてでも安心してスタートできる基本の4ステップを紹介します。
① まずは体験してみる

理屈をどれだけ並べても仕方ありません。五感を開いて体験すればその魅力がすぐにわかります。
1泊でも日帰りでもOK。森を歩いたり、森の手仕事を通じてその感覚を確かめてみましょう。
② 使われていない別荘地や土地を探す

放置された別荘地や山林の中には思いがけない掘り出し物が眠っています。手が届く「自分の小さな森」でリスクを抑えながら小さく始めることが可能です。
③ 小さく建てて、手を入れながら暮らす

セルフビルドやハーフビルドなど、自分の手で家をつくる人も増えています。「えっ?そんなことってできるの?無理でしょ・・・」と感じることでしょう。
僕たちも最初はそうでした^^; でも意外にやってみたらできるものです。
自分たちの実体験を通して何より伝えたいのは、自分でつくる醍醐味は完成までの時間がそのまま「生きる物語」になることです。
④ 収入源をつくる

もしかしたら一番の不安かもしれません。ここは発想展開しかありませんね。オンラインが普及したことで今はどこにいても仕事ができる環境にあります。
都会にいないと働くことはできない・・・そんな固定概念は早めに払拭してください。
リモートワーク、複業、小商い。森にいながらにして都会の仕事をまわす。森の暮らしを発信して仕事につなげるなど選択肢と可能性はいろいろあります。
それと年金ですね。これまでしっかり納めてきたのだから堂々ともらいましょう。定期的に一定額ですから安心感をつくりますよね。
ちなみに65歳まで待って・・・なんてやめた方がいいです。国の制度なんてどうなるかわかりません。今をどう生きるかに使うことをおすすめします。
森がもたらす3つの変化

① 孤独が減り、人とのつながりが生まれる

「森にいるなんて独りぼっちになるんじゃないの?」そんなイメージがあるかも。いえいえ逆です。
周囲に人はまばらです。一人でいたいときは一人になれる。誰かと話したいときは家族やご近所さんと。都会で否応なし人と接するような世界はおさらばです。
森では肩書きも地位も関係ありません。都会にあるような煩わしさはありません。森の中で焚き火を囲めば自然体で人と人がつながりますよね^^
② 体を動かすことで、健康寿命がのびる

森でやる作業を「森仕事」と呼んでいます。森の手入れをするには、シンプルですが多岐にわたるものがあります。
やってもやっても「あれをこうしたい」が出てくるから厄介^^; というかこれが愉しいんです。
草を刈る、土を掘り運ぶ、薪を割る、DIY手仕事など日常そのものが運動。自然のながれに任せ、健康的に暮らせるリズムが整います。
③ 自分と向き合う時間が増える

静かな環境だからこそ、心穏やかに過ごせます。作業に没頭するから余計なことを考えなくなります。
こんな毎日を繰り返していると、自然にシンプルな思考が根付いてきます。
「何のために働くか」「誰のために生きるか」を見つめ直すきっかけになります。
森を拠点に、心豊かな第二の人生を

定年後の不安は、働くことを失う不安でもあります。実はそれは思い込みに過ぎません。森の暮らしにはその答えがあります。
森には、時間にも心にも「余白」があります。その余白の中で、もう一度「自分の生き方」をつくり直すことができるのです。
森の暮らしを体験してみませんか?

もし少しでも「自分もやってみたい」と感じたら、まずは森を訪れてみてください。森プラスではこんなメニューを用意しています。
あなたの「第二の人生」が森の中で静かに動き出すかもしれません。

