森と町を行き来しながら、森プラス事業の基盤をつくる。そんな一週間を切り取った記録。「二拠点で暮らすってどんな感じ?」の一端が伝わればと思う。
今週は森6日、町1日の一週間。それではスタート。
町;勉強追い込みの図書館|2023.10.12(木)
朝、歯を磨こうとすると娘が「パパ、ゴールデンサークル理論って知ってる?」という。「あ、知ってるよ」とりあえず答える。「昨日、会社で教えてもらった」「そうなの」
ゴールデンサークル理論とは、「WHY(なぜ)」→「HOW(どうやって)」→「WHAT(何が)」の順番で物事を伝えることで、相手から共感を得られるという理論。
うる覚えだったのでネットですかさず検索。それと思っていたのと違っていた。やばい、やばい。
上司から「これやっといて!」でなく「こういうことがしたい、それにはこれが必要、だからあなたに頼む。よろしく!」と言われた方がやる気になるよね。たしかにそうだと思ったと娘。そうそう理論を事例に落とせるといいね。
社会人になって営業ひと筋8年くらい、こんな会話ができるなんて、娘も成長したもんだ。
午前中は図書館までチャリで。ここ数日、暑くもなく寒くもなく、穏やかな日が続いている。
道すがらキンモクセイの木々が並ぶところがある。この季節は風に乗ってとても良い香りを発する。キンモクセイの咲く道を・・・♬あのメロディーが頭を巡る。
本で得た知識と現場での実体験。両者がかみ合ってはじめて本物。少しずつトライしたい。
息抜き休憩はこの一冊。森林関係ばかり手に取っていたので別の書棚に。といってもやっぱりこの類い(笑)
パラパラめくってみた。建築の本と思いきや教育や人生についても書いてある。しかも学生に向けて質問に答える形式。これは面白そう。試験が終わったらぜひ読んでみたい。
今日はガッツリ勉強した。それにしても頭に定着しない。アラカン頭だとやむを得ないか・・・
森フィールドへ移動|10.13(金)
目が覚めて、スマホをひとまわりチェック。寝床で記事を書き始める。これが意外に書きやすい。この記事も結構そんな感じでちょこちょこやる。
書いているとだんだん頭が冴えてきて、あれもやろうモードでPCへ向かう。そこからエンジン全開、2時間程度。朝の集中力は我ながらすごい。
その代わり、昼間へ向けてどんどん減速。うまくバランスがとれたらいいのに・・・。今は受験生なので(笑)、やりたいことを横に置いて勉強に勤しむ。あー早く解放されたい。
朝ごはんを終え、いざ図書館へ。
場所を選ばずどこでも仕事というと、ハードルが上がるかもしれない。実はそうではない。思い立てば、今すぐにできることがいろいろある。
例えば、今こうして図書館への道をチャリで走っている。するとあるフレーズが浮かんでくる。浮かんだらすぐ文字にしないと消えていく。
チャリを止めてスマホを取り出す。立ったままサイトを開け、ダイレクトに記事を下書きする。蓄積すれば後につながる。これがどこでも仕事だ。
ずっとそのことを考えていると、ふとした時、突然降りてくる。その瞬間を逃さない。商いのアイデアはほぼここから始まる。
記事はあとで校正すればいい。多少の誤字脱字は修正すればいい。それよりもリアリティ。机に向かって、さあ書こう!と思ったところで書けるものではない。
何かの記事で、work from anywhere (WFA)という言葉が紹介してあった。働く場所を自由に選択できるという世界で広がりつつある概念らしい。
場所から入ると大げさになるが、いつでもすぐ仕事モード+ちょこっとだけなら、まさに入口になると思う。
今日の休憩時間はこれ。サブタイトルが気になった。場づくりは僕の土台になるテーマ。加えてフィンランド好き。気になって手に取る。
建設会社の社長が自分のフィールドなどについて書いているところもありそう。ヒントも多そう。試験が終わったらじっくり読んでみよう。
今日は午後から小諸へ移動するので午前中で勉強は終了。有休でたまたま自宅にいた息子とヨメさんでランチ。息子も元気そうで何より。
その足で森フィールドへ向けて出発。何度もルートを行き来しながら、途中トイレ休憩する場所は決まっている。ドリンクに加え、たまに甘いものを買う。
日中の日差しはまだ暑いが、夕方になるとぐっと冷え込んできた。佐久に入り、いつものツルヤで買い出し、アパート到着。
勉強モードでおろそかになっているインスタをチェック。新しいフォロワーの中にサラリーマンをしながら薪活をしている面白そうな人がいた。
プロフィールから投稿を見ると、何とお世話になっている農機具屋さんとお付き合いがあるみたい。ご縁を感じてメッセージする。
ぬすると「いつかお会いできたら幸いです・・・」と返信があった。SNSのつながりはこんな自然な形がいい。
移動は車に乗っているだけだがそれなりに疲れる。お酒とごはんでバタンキュー。
森;泣いても笑ってもあと1日|10.14(土)
緊張しているのか、変な夢を見たせいなのか、朝3時に目が覚める。最近の日課、寝床での記事執筆(笑)。気がつくとすぐに40分、あっという間に時間が経つ。
おもむろに起きてPCを仕上げる。書いた文章を手直しする。そしてすぐに勉強モード。
いよいよ試験まで1日になった。早く解放されたい気持ちが一番だが、ここまで来るとやり切れてないことも少し気に掛かる。
少しと書いたのは余計なことを考えるのをやめたから。自分の能力、時間、できることには限界がある。
だからやたらとあれこれ考えるのは、かえって良くないと思うようになった。
早朝3時間集中する。朝ごはんをはさみ、小諸図書館へ。
外は肌寒い。自習机の足元も少し冷える。今日やることに決めたノルマまで時間配分がきびしい。
休憩もそこそこに演習に取り組む。残すところ今日しかない。昨日までと思うと、さらに緊迫感が違う。
泣いても笑ってもだったら、笑った方がいい。たかが試験、されど試験。心に染み入る一日になった。
お昼は、冷えたからだを温めるため、近所にあるラーメン屋へ。不定期に休むので何度も空振りを食らったが今日はやっていた。お腹にたまると身も心もあったかくなる。
ラーメン屋から図書館へ戻る道中に、小諸ちゆかりのある島崎藤村の碑がある。
ここが家だったのか、結婚して7年住んでいたらしい。小諸義塾という学校があって、英語の先生をやっていたそうだ。
午後から再度図書館へ。早朝からぶっ通しなので眠くなるはずがそうでもない。やはり気が張っているのかもしれない・・・。
夕方まで詰めてやって、今日の締めは懐古神社へ。小諸の名所「懐古園」の中にある。
ネットで調べると学問の神様とのこと。これは行くしかない。最後はまさに神頼みあるのみ。
小諸に通い始めて2年近くになるが懐古園は初めて、文字通りモグリだ。入ってみて驚いた。
見事な石垣があちこちに残っている。近くで見るとど迫力。いったいどうやって運んだんだろう?昔の人はすごいことをやったもんだ。
園内は人も少なく静かでとても風情がある。心がすっと洗われる感じ。勉強の疲れを癒してくれる。
中には樹齢600年の欅も佇む。さわるとあたたかい。木には独特のぬくもりがある。包容力満載、圧倒された。
もう少しすると、もみじのライトアップがあるらしい。今度はゆっくり訪れてみたい。
アパートに戻り、少しだけ追加で勉強。ごはんを済ませ寝る前の暗記。あ゛〜頭に入ってない。さて、悪あがきがどこまで通用するか。
森;試験当日、笑顔で出かけて笑顔で帰る|10.15(日)
朝2時すぎに目が覚める。外では雨音がしている。もう眠れなくなる。
気分転換で記事を書く。暗記カードを何枚かめくる。もう少し寝た方がいい。電気を消して目を閉じる。
頭の中をいろいろ巡る。また1年、同じことはしたくない。目が冴えてくる。また暗記カード。寝床でゴソゴソ。4時に起床。
ふとコミュニティメンバーへ伝えたいことが浮かぶ。こうなるとスイッチオン。すぐに書き込む。降ってくるのは決まって早朝。どういう頭の構造なんだろうと思う。
試験勉強、最終の最終、総ざらいに取り掛かる。家で?時間、図書館で2時間、合計6時間。
ここまでは見直したいまで行きつかなかった。時間が過ぎるのってあっという間。
あ゛ーー、やってられんねーと後ろを見ると、女子が保育士の試験勉強をしていた。みんな頑張ってんだ・・・と思い直す。
11時すぎに試験会場へ向けて出発。ホテルの4部屋を貸し切って400人強はいた感じ。受験生こんなに大勢いるんだ。
試験スタートまで説明とかなんちゃらで1時間弱。蛇の生殺し状態。
そして始まる。「えっ、そこ出すの」みたいな問題も多々。面喰いながら必死に取り組む。とりあえず2時間やり切る。時間足らずという感じ。終わった・・・。
試験会場から外に出るとさっきまでの雨模様はどこかに、真っ青に晴れていた。
とりあえず走り抜けた。やっと終わった。手応え、出来は別としてとにかくひと息つきたい。
お昼ごはんは時間をずらしたので佐久平のショッピングセンターで回転すし。バックに浅間山が見える。清々しい。軽く食した後はタリーズ。
夜は新しく迎えたコミュニティメンバーとの面談。気持ちが軽いので疲労感はなし。
「笑顔で出かけて、笑顔で帰ってください。頑張ったのは誰よりもあなた。でも少なからず周りで支えてくれた人がいたはず。その人のために」
今日までお世話になった通信講座の先生がくれたメッセージ。とても心に響いた。そう、ヨメさんや子供たちは横で応援し続けてくれた。
笑顔って大事。それだけは励行した。
1月からちょっとずつ始めた試験勉強。自分の足跡の記録と自信づくりの目的で、通算の勉強時間と取り組んだ過去問の数を記録してきた。
最終1週間は追い込みと最高記録を更新したいという思いもあって51時間達成。通算569時間になった。
後半から取り組んだ過去問の数は通算3,833問。ちなみに新しい問題ではなく同じ問題集を6~8巡したので純粋な数ではない。
とはいえ、我ながらよくやったと思う。ここ10年いや20年で一番勉強したかもしれない。
何より試験というプレッシャーの中、いろいろと新たな気づきと学びを得たことに意味があった。得たものについては折々書いてみたい。
森;家づくり再開&メディア仕込み|10.16(月)
激戦から一夜明ける。どれだけつっかえていたかがわかる。やっぱりかなりのプレッシャーになっていたようだ。
やっと正常の状態に戻る。これまでしたくてもできなかったことをやるぞ!という感情。せき止めていたものが湧き出してくる。
メインは家づくりの加速だが、せっかく毎朝集中する習慣ができた。これをルーティンにしたい。
「森プラス」具体化へ向けて、メディアづくりの加速が当面の課題。webサイトとYouTube。ずっと中途半端だったものに手を入れていく。
同時に知識も深めていきたい。森や木のこと、ワードプレステーマ、webライティング基礎の学び直し、脳科学をかじる・・・いろいろとある。
試験期間に通った図書館が知識の宝庫とわかったのも大きい。有効に活用したい。
あれもこれもになると結局どれも中途半端になる。実業をやりつつ、優先順位を決めないといけない。
昨日のメンバーセッションで出た言葉が響いていた。これは講演にも使える。すぐにスライドに加筆する。
一つの仕事が別の仕事へ連鎖する。これがあるから一人商いはやめられない。
午前中は別荘地コミュニティの環境部で散策路づくりの開始。お隣さんから僕たちのフィールドを通って下へ抜けるルートをつくる。
といってもスコップ一つ、鎌一つの完全手づくり。主催者男性80歳、一緒に作業した女性83歳。お二人とも手慣れた手付きで進めていく。
その活力ある姿に心から驚く。彼らにはおじいさん、おばあさんという言葉が合わない。
「町にいると、やれ薬だ、病院だとなる。病院に行くと子ども扱いされたりして、周囲から年寄りにさせられている感じがある。
「ここだと好きなことができるからね。まだまだやりたいことが山ほどある」
作業しながらこんな話を聴かせてくれた。ちなみにお二人とも都会からの移住者だ。町の老人にきかせてあげたい。
1時間ちょっとの作業で約30メートルの道ができた。意外に早い。少しずつできていけばと思う。
「できた道のまわりにどんな植物を植えたら良い景色になるかがまたたのしみ」先輩が教えてくれる。「森+小径づくり」、広がりが出そう。
午後から大工仕事。ペンディングになっていた外壁張りの続きに入る。頭の隅を抑えつけていたものがなくなり、心晴れて専念できる。
こんなスキマを埋めようとしているのだから手間が掛かる。木はそれぞれに微妙に長さが違う。
工業製品のように測ったからといってピタッと合うような代物ではない。だから面白いのだが時間と手間はそれなりになる。
何度も足場を上がり下り。丸のことジクソーで修正。繰り返しながら何とか玄関まわりは完了した。
17時には暗くなるようになった。寒さも増す。早く外壁を終えたいが、まだ数日かかりそうだ。
アパートに帰ってお酒と軽くごはん。バタンキュー。
森;家づくりへシフト|10.17(火)
夢もみたこともあって4時半に目が覚める。肉体労働した日はよく眠れる。
スマホ執筆、調べもの。昨日からワードプレステーマswellの知識をインプットし始めた。
この類の記事をチェックすると、どんどん時間が経つ。気がつくとあっという間に1時間。
まさに沼状態。もっと効率よくやれる方法はないものか。
5:30amおもむろに起きる。小諸はもう足元や背中が寒い。電気ストーブを付ける。
朝6時からは恒例のラジオ。今日は一人商いの醍醐味について話す。
自分の手で自由につくっていけるのに加え、一人◯役の広がり、仕事と仕事が連鎖する、信頼する仲間とのチームなど。話せばキリがない。
フィールドに到着。可憐な花がふと目に入る。何という花だろう?山野草という類だろうか。森にはまだまだ知らない世界がたくさんある。
さあ、本格大工始動。ヨメさんが用事で数日埼玉へ戻るため一人作業。
表の外壁、文字通り最高の高さにある左の隅っこの部分をやっつける。
いつも通り(苦笑)サイズが合わず、足場を行ったり来たり。はめ込んでみると胴縁が出っ張っていて凸凹になる。
急遽その場でカッターで削る。5メートル高所での細かい作業に緊張感が走る。
とかやっていると、あっという間にお昼。適当にごはんを済ませ午後作業へ。
残った高所は足場移動が必要。ヨメさんが戻ってからにするとして、サッシ下の仕上げにかかる。
先に張っていた材と色が違う。唐松の変色が面白い。これが自然の家、経年変化がたのしみだ。
表面はひと区切り、最後に東側側面へ移る。スタートになる縦材は複雑な加工。何度かやって一応はまる。
日が落ちてきた。フィールド作業をやっていると太陽の位置でおおよその時間がわかるようになる。
「森+太陽」こんな組み合わせもありかな。
本日の出来栄え。片付けしてアパートに着く頃にはすっかり暗くなっていた。
夜は一人鍋とワインでバタンキュー。
森;一人大工作業に没頭|10.18(水)
朝3時に目が覚める。夜8時過ぎに寝るのだから当たり前。現場にいるとほぼこんな感じ。
スマホ執筆、情報リサーチからスタート。1時間弱あれこれ作業。
その後PC仕事。webサイト下地をちまちまとつくる。毎日少しずつやらないとカタチにならない。
ずっと更新できていない焚き火チャンネルにコメントがついていた。しばらく見ない間に一万回再生、うれしい限りだ。
朝ごはんをサクッと終わらせて早めにフィールドに入る。日暮れが日に日に早くなる。作業時間を増やすのが目的。
ラジオ体操を終え、早速作業に入る。今日は東側面の外壁張り。
まずはサッシ下。いきなり電気配線が出ていて穴あけ加工。うまくいって幸先良し。
屋根下は垂木があるので、垂木をよける加工が必要。微妙な位置調整に手間取る。セルフビルドの宿命か。
手間暇かけると愛情が湧いてくる。家も道具も大事にしようと思う。
寸法を測る、丸のこで切る、合わせる、下穴をあける、釘を打つ、仕上げの確認。この間、その一つひとつのことしか考えてない。まさに没頭集中デトックス状態。
焦ってやると失敗する。うまくいかないからと他人や道具にあたらない。じっくり心を落ち着けて作業する。結果、仕上がりがきれいで早くできる。大工作業で得た学びだ。
今日は東側7割仕上げでフィニッシュ。また明日。
下穴錐(したあなきり)が折れてしまった。予備がないと作業が止まる。帰りにカインズ佐久平へ。何かあったらお世話になるいつものお店。浅間山が見渡せる清々しい場所。なかなかない立地だ。
アパートに戻り、洗濯など家事をして晩ごはん+お酒でいつも通りバタンキュー。
二拠点生活1週間の気づき・学び
「メリハリある一日を過ごす」。これに尽きると思う。
この1ヶ月、資格試験に没頭した。家づくりが最優先の中、完全にシフトした。
結果はどうあれ、全力疾走できたと思う。通常と違う有意義な時間を過ごせた。
その理由は環境を変えるということ。森にいるときは大工仕事で他事を忘れる。町にいるときは図書館で没頭する。
やはり、人生には集中とリラックスが必要だ。
★今後の森と町の二拠点生活リアル日誌は「週刊森プラス」としてnoteへ引き続くことに。To be continue・・・