my forest,my home。自分の森で自分の家をつくる。ど素人アラカン夫婦二人が一級建築士のサポートを受けながら、森の中の6坪ハウスをDIYするプロセスを工程ごとにまとめた記録です。
独立基礎が何とかでき、その次の工程に進みます。基礎の上に土台をつくっていきました。木造は湿気に弱い構造です。地盤面から基礎の立ち上がりをとる必要があります。
本記事ではその土台づくりプロセスをレポートしていきます。
土台材の入手
土台は建物を支える重要な部材です。地面から一番近い部材なので湿気が直接来るので腐ってしまう、シロアリ被害があるので、防腐、防蟻(ぼうぎと呼びます)の2点を考慮しないといけません。
土台に使われる樹種
一般的に出回っているのが米栂(ベイツガ)です。そのものだけでは弱いので防腐剤が注入されています。価格もリーズナブルです。
その次にヒノキ、ヒバ、クリといった樹種になります。これらは材料そのものが防腐性、防蟻性に優れているので、薬剤を注入する必要がありません。
知り合いの製材屋さん曰く、ヒノキは水を吸わないから海に浮かせても大丈夫と言っていたほどです。ただし、その分価格が高くなります。
ホームセンター入手
今回は設計上120ミリ角を必要としましたがこのサイズが市販では見つかりません。やむなく一つ下の105ミリ角に変更しました。
工事にすぐに取り掛かりたいこともあり、まず行きつけのコメリへ。コメリでは105ミリ角サイズの取り扱いがなく、その足でカインズへ。
比較的大きなカインズへ行くとありました。105角4メートルで6800円、結構するなあ・・・という感じ。ただヒノキとなっています。もう少し見て回ろうと近隣のビバホームへ。
ビバホームには米栂で防腐剤が入ったものが6908円でした。カインズの方はヒノキで樹種も良いし安い。明らかそっちです。
ウッドショックの品薄、高騰の表記もされていました。どうもこのあたりが相場みたい。ウッドショック前はいくらで売っていただろう・・・考えないことにします笑。
ヒノキに薬剤処理がされているのはどういうことなのかがわかりませんでした。お店スタッフにきくと防腐加工を気にするお客さんがいるからかも?といった感じです。
余談ですが、薬剤の入った木を燃やすと有害物質が発生するそうなので注意が必要です。
PGスケアーとは、防腐・防蟻性能と安全性に優れた銅化合物系の加圧式木材保存剤「タナリスCY」を含浸したベイツガ保存処理土台とのことです。
後日談ですが、施工が完了した後、製材屋さんと接点をもちました。同品質のものを目利きしてホームセンターより安くするよといった話も出て、残念!
必要になったのは15本。重いし長いので軽トラで2往復。できるかなあ?と心配していた南京結びもうまくいってホッとしました。
建築材の調達は信頼が置けて小売りにも融通してくれる製材屋さんとのつながりが重要です。早い段階で動けたらベストですね。
束の設置
土台づくりのゴールは床が基準になるようにすることです。ゴールへ向け、束石→束→土台材を組んでいきます。
最初に束(つか)です。束とは、上下の階をつないだりする柱ほどの長さは持たない垂直部材です。土台が水平になるように、斜面に埋めた束石から束柱で高さを調整していきます。
斜面を削って平らにしていく方法も選択肢にありましたが、重機を入れないと無理という点、土壌を掘り返すことに抵抗があったので断念。束で一本一本調整する方法にしました。
まず地面から土台までの高さをどうするか決めます。湿気などを考慮して一定の距離離します。通常40センチ程度とのことなのでそうしました。
一本一本やるのではなく、基準になる束を決めて進めます。柱の長さが一番短くなる斜面の高い位置にある左上の角にしました。
地面から長さはデコボコで測れないので、水平をとった水糸から何センチ下というやり方でそれぞれ柱の長さを測っていきます。
4メートルや3メートルの材から何本の束がとれるのかを考えて、購入する材の本数を決めていきます。そうしなとロスが出てコスト高になります。
まず四隅を確定します。建築士曰く、とにかく四隅が大事!とのこと。長さを合わせて切り出していきます。
105ミリの角材は、丸のこの幅より長いので一度に切ることができません。当初は上と下に線を引いて切っていました。すると上下で切り口にズレが出てしまいます。
ズレが出るとカンナや手のこで微調整をしなければなりません。こうした作業が時間のロスになります。切断面を平らに切るためには切り口が見える位置で90度ずつ回しながら切るとうまくいきます。
ちょっとしたことですが、これだけで気持ちよく作業効率を上げることができます。
束を置いたら水平確認をして確定したらビスで仮止めします。仮止めにするのは土台材を載せた後、微調整が出るからです。
土台材の加工
四隅の束ができたら、その上に載せる土台材を用意します。横幅が7メートル強あるので4メートルの材を継がないといけません。
ここで継ぎ手を作ります。二つの材を鍵のように組み合わせる加工ですね。丸のことノミでやるのですがこの作業が難しい。いろいろやって丸のこで何本か切り込みを入れたらノミで取りやすくなることがわかりました。ノミは材にまたがって削ると安定して少し上手くいきます。
作業の注意点は、切り込みを入れる際、丸のこがカットする深さの調節を忘れないようにすること。余計に切ってしまう部分が何箇所かできてしまいました。
縦と横の材にも継ぎ手を作ります。欠込みといって一方の材を相手の材の幅だけかき取って、その部分に相手の材をはめ込めるようにする作業です。これはさらに難易度が上がります。
特に欠けこむ奥の方は丸のこが入らないので掘ることになりますがそうそう掘れるものではありません。試行錯誤してインパクトにドリルをつけて穴を何個か開けていく方法でやりました。
継ぎ手のビスは斜めに打ちます。真っすぐ打つと割れが出ることがあるからです。
四隅と土台で枠を作った後は、中をつなぐ土台材を同じように加工していきます。注意点は継ぎ手のサイズを事前に読み込んでカットしていくことです。読み込みを忘れて短め目に切ってしまって泣いた場面がありました。
2023年の年明け、さあやろう!と思った矢先、大雪が降りました。基礎は雪に埋もれ作業は完全ストップ。自然相手の建築工事は自分たちが思った通りには進みません。
土台材の組み立て設置
土台材ができたら束の上に載せていきます。まず四隅と枠を確定します。その次に中の材を渡していきます。
枠から91センチずつ線をとってそこに合わせて材を組み込んでいきます。と言えば理想的なのですが、実際はズレが出て何度も測り直し調整をしました。
継ぎ手がない場所は補強金具で留めていきます。ビスは下から打つので地面に寝そべってという感じ、見たことがない景色が広がります。
荷重は上から掛かるので上から押さえが効くように組むのが重要。欠込みするのはそのためです。家は基礎から始まり、足元からかためていく手順で進めていきます。
土台材を置いた後、束とのズレが出たときは束を動かして調整します。束を留める羽子板との間にすき間ができたらベニヤなどを挟んで調整します。ホームセンターで端材を売っていたので利用しました。
束のビスを打ち直そうとすると頭が折れてしまうことが多々あります。これは硬いヒノキに対しインパクトドライバーで打ち込み抜くとき、トルクが掛かっているのが理由とのこと。ビスが劣化しているのかと思いましたがそうではないようです。
土台材が設置できたら、遣り方を撤去します。遣り方の枠と水糸をまたぎながら動くぎこちない作業も幕を閉じました。ここまで本当にありがとうという感じになります。
床下材の設置
土台が組み上がった後はその上に床下材を設置します。
合板の入手
床下に使う材料は合板。当初12ミリで考えていましたが、やはり厚い方がいいのではと24ミリにしました。
あと「特類」の表記を確認してねと建築士からアドバイスを受けました。特類とは、屋外または常時湿潤状態となる場所で使用する接着の程度の要件を満たす合板の種類です。
12ミリまでならどこのホームセンターでも在庫していますが、24ミリとなると限られてきます。コメリPROで24ミリを探すと実(さね)付のものしかありませんでした。
実(さね)とは板と板のつなぎ目にある凸凹のことを言います。建築用語は特殊ですね。でも一つひとつに味があります。
5800円と12ミリの倍以上と値が張りましたが選ぶ余地もなく即購入。そのままのサイズではめ込みができないので、カットしてもらいました。
イチから十までやりたいのはやまやまですが、ズレが出るとそこから余計な時間が掛かるし、工期が遅れているので背に腹は代えられません。機械ワンカット30円、10カット300円であっという間に完了しました。
直角がとれていないと致命傷になります。重要な箇所は機械カットした方がいいと思います。
合板をビス止めする枠をつけて下準備を終えました。材料は遣り方で使った杭の再利用。茶色なのは防腐剤クレオソートの色です。業界で防腐剤といえばこれだそうです。
ポリエチレンシートで防湿
地面から合板に直接湿気があたるのを避けるため、合板の下にポリエチレンシートを敷きます。土間シートという名称で販売されていました。ひと巻で2300円ほどでした。
床下合板の貼り込み
はめ込みだけなのでスムーズに作業が進みました。サネが入りにくい部分は継ぎ手の引っかかりを削ったり、木槌で叩くとうまく入りました。
ビス止めして完了です。斜面だらけの場所に初めて平らなスペースができました。床面に寝転がると、目の前に抜けるような青空が広がりました。これがやりたかった!
合板は水にあたると接着剤が剥がれたりしてブヨブヨになるのでしっかり養生する必要があります。全体を一枚で覆える特大ブルーシートを購入しました。
まとめ
数ヶ月かけて基礎から土台づくりまでを完了しました。基礎がしっかりしていないとゆらいでしまう、土台が基盤になる・・・家づくりって本当に言葉通りの工程を進めていくものです。
これって人生にもつながるプロセスですよね。自分で手掛けてみて実感の毎日です。ベーシックな家づくり作業、これからのステップがたのしみです。まだまだ先は長い!
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