フィールド内アカマツの伐倒失敗談|森の開拓体験フィールドづくり

 

フィールドの木々は、アカマツ、コナラ、ニセアカシアといったもので構成されています。小屋を建てる敷地スペースに大きなアカマツが三本あります。何かさておき、まずは取り除かないといけません。

それなりの大きさなので、本当は業者さんに頼んだ方が無難。でも一本あたり5万円前後との話で、予算がない中では痛い出費になります。

森での暮らしを始めるわけだし、今後のことも考えて自分でできるところまでやってみようという方針にしました。

幸い倒木方向は木があまりなく、狙ったところに倒れてくれたら、うまくいきそうです。

ただ、かかり木といって、周りにある木に引っ掛かったら、その後の作業が大変になります。

数日前から過去講習で学んだことを復習したり、YouTube先生を見たり。いろいろシミュレーションしていました。すればするほど、緊張は高まりました。ここ数年経験したことがない緊張感です。

そしていよいよ当日。お天気がいい日を逃すわけにはいきません。

まず一本目。直径約40センチ、高さはおそらく20メートル強。太さもさることながらこの高さにビビります。

緊張しながら伐り始めます。まず受け口。受け口とは伐倒方向へ斜めに入れる切り込みのことを言います。

受け口ができたらその反対側から切り込みを入れます。これを追い口と言います。全部伐るのではなく、一定の幅を残します。これをツルと呼びます。ツルが支点になって木が倒れていきます。

こっちへ倒れてね~という方向を定め、チョークで線を書きました。受け口をつくりました。続いて追い口を入れたら、少しして、メキメキ、、、と音を立て始めました。

「倒れる!!」少し離れて見ていた妻が思わず叫んだ様子。ヘルメット越しなのでよく聞こえません。

咄嗟に後方へ逃げました。するとすぐに木は倒れ始め、地面着くと、ドーーンとバウンドしました。ど迫力です。その分、危険だったと思います。

二本目は少し細い中型のアカマツです。最初の反省点に注意しながら、受け口、追い口ともにそこそこうまくできました。その分、思った方向に倒れてくれました。

そして迎えた三本目。太さは一本目同様の大木、加えて付け根あたりが少し曲がった難関です。緊張しながらも同じように伐っていきました。

すると、とんでもないことが起こりました。狙った方向と逆へ倒れかけてきたのです。

幸い、周囲に複数の木があったので、いきなり倒れることなく、途中で止まりました。念のために伐倒方向の木とロープを張っていましたが、あまりを用をなしませんでした。

このままだと最悪少し離れた隣家の屋根を直撃する方向です。木は倒れかかった状態。しかもかなりの高さです。時間も夕方を過ぎています。暗くなる前に何とかしないといけません。「どうしよう・・・」途方に暮れました。

数日前にやったかかり木を下から伐ってずらしていった方式を思い出しました。「これでやるしかない」正しい方法か否かわかりません。でも躊躇していたら暗くなってしまいます。

作業をスタートしました。伐って、クサビを入れて、ずり落とす。かなりの重さだったので一回一回が大変でした。この作業を繰り返し、何とか全てを下に倒すことができました。難を逃れました。

それからテントを立てて、ぎりぎりの時間で近所の温浴施設で汗を流し、バタンキューで寝ました。とにかく何も起こらなくて良かったです。

「伐倒方向を決める受け口は時間をかけて正確につくる」「受け口の角度は45度以上」「ツルをちゃんと残す」「受け口とツルは平行にする」・・・

あとで復習するとできていないことだらけ。まだまだ他にもあります。大反省、木を伐るとは大変なことです。修行を重ねる教訓になりました。

作業手順をしっかり身につけることに加え、もう一つ大切なことがあります。

「木がどちらに倒れたがっているか聴いてみることだよ」数年前、この道50年以上の林業家さんに教えてもらった言葉。

そのときは真意がわかりませんでした。今回の経験でその一端を感じられた気がします。

もう一つ、道具にも気持ちを寄せることを学びました。伐ることばかりが頭にあると、思うようにチェーンソーは動いてくれません。よろしくねーという気持ちでやるとうまくいきます。

木とのコミュニケーション、道具とのコミュニケーション。今まで知らなかった世界に踏み込むきっかけになりました。

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